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MXNet セットアップ

Takami Torao mxnet 0.9.3a Scala 2.11 Windows 10 Ubuntu 16.04 #mxnet
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概要

Apache MXNet は高速でスケーラブルな機械学習フレームワーク。Gluon という高レベル API が付属しており AWS が正式にサポートしている。

プラットフォーム設定

Windows 10 (Bash on Ubuntu on Windows)

MXNet 0.9.3a はプラットフォームのネイティブライブラリに強く依存しているため Scala であっても環境依存性は高い。とりわけ Windows では共有ライブラリが用意されていない現状から Bash on Ubuntu on Windows を使用する。

libc6-2.23 などいくつかのライブラリが Ubuntu 16.04 に依存しているため Bash on Windows に Ubuntu 14.04 を使用している環境では 16.04 へアップグレードする必要がある (参考)。Ubuntu のバージョンは lsb_release コマンドで調べることができる。

$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description:    Ubuntu 14.04.5 LTS
Release:        14.04
Codename:       trusty

Bash on Windows で Ubuntu 16.04 が利用できるのは Fall Creators Update を適用した Windows 10 からである。ここでは Creators Update の適用方法は省略する。

Creators Update の適用が済んだら Windows のコマンドプロンプトで lxrun /uninstall を実行して既存の Ubuntu 14.04 をアンインストールする。

この操作によって Ubuntu 上の home は維持されるが apt-get で導入したアプリケーションやライブラリなどは初期状態に戻るため 16.04 インストール後に再度インストールする必要がある (/full オプションを使用すると home の下も削除される)。

C:\...> lxrun /uninstall
これにより Windows 上の Ubuntu がアンインストールされます。
Ubuntu 環境および次の項目を除くすべての変更内容と新しいアプリケーションが削除されます。

C:\Users\torao\AppData\Local\lxss\home
C:\Users\torao\AppData\Local\lxss
oot

続行するには、"y" を入力してください: y
アンインストールしています...

Creators Update が適用されている Windows 10 で lxrun /install を実行すると Ubuntu 16.04 が導入される。

C:\...> lxrun /install
-- ベータ機能 --
これにより Windows に Ubuntu がインストールされます。Ubuntu は Canonical によって配布される製品であり、
次のサイトに示される条件に基づいてライセンスされています。
https://aka.ms/uowterms

続行するには、"y" を入力してください: y
Windows ストアからダウンロードしています... 100%
ファイル システムを展開しています。この処理には数分かかります...
Ubuntu のロケールを Windows のロケール (ja-JP) と一致するように設定しますか?
既定のロケールは en_US です。
続行するには、"y" を入力してください: y
既定の UNIX ユーザーを復元しています: torao
新しい UNIX パスワードを入力してください:
新しい UNIX パスワードを再入力してください:
passwd: password updated successfully
インストールが正常に終了しました
>bash
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description:    Ubuntu 16.04.2 LTS
Release:        16.04
Codename:       xenial

以降は Ubuntu 16.04 での手順と同じである。

Ubuntu 16.04

Ubuntu 16.04 環境では apt-get でリポジトリとライブラリを最新版にアップデートする。以下は MXNet の導入で追加したライブラリを載せているが、実行時に UnsatisfiedLinkError が発生するのであれば随時 apt-get でインストールして行けば良い。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade
$ sudo apt-get install -y libatlas-base-dev libopencv-dev

Scala で動作させるためには当然ながら Java と Scala (あるいは sbt) を追加する必要がある。

サンプルの実行

MXNet 0.9 が前提としているのは Scala 2.11 である。build.sbtlibraryDependencies に以下の 2 ライブラリを追加すれば MXNet を利用することができる (GPU が利用可能な環境では -cpu-gpu に書き換えれば良い)。


scalaVersion := "2.11.12"

libraryDependencies ++= Seq(
  "ml.dmlc.mxnet" % "libmxnet-scala-linux-x86_64-cpu" % "0.9.3a",
  "ml.dmlc.mxnet" % "mxnet-full_2.11-linux-x86_64-cpu" % "0.9.3a"
)

サンプルコードは Github の scala-package/examples/ から探せば良い。

参考リンク

  1. How to Update the Windows Bash Shell to Ubuntu 16.04