記号論理
概要
記号論理 (symbolic logic) は論理的な推論を数学的記号法を用いて研究する分野。
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命題論理
命題論理 (propositional logic) は 2 つブール値「真 (true)」と「偽 (false)」を用いた記号論理の代表的な理論。命題の具体的な内容には立ち入らず Table 1 に示す 5 つの論理演算子のみを用いて記述できる論理式の間の関係を研究する。
\(\land\) | 論理積 (conjunction, and) | \(F\) と \(G\) がともに true である場合にのみ \(F \land G\) は true。 |
---|---|---|
\(\lor\) | 論理和 (disjunction, or) | \(F\) と \(G\) のどちらかが true の場合にのみ \(F \lor G\) は true。 |
\(\lnot\) | 否定 (negation, not) | \(F\) が false の場合にのみ \(\lnot F\) は true。 |
\(\to, \Rightarrow, \models\) | 含意 (implication) | \(F\) が false または \(G\) が true の場合にのみ \(F \Rightarrow G\) は true。 |
\(\equiv, \Leftrightarrow\) | 同値 (equivalence) | \(F\) と \(G\) がともに true またはともに false の場合にのみ \(F \equiv G\) は true。 |
含意において、前提となる \(F\) が false であれば \(F \Rightarrow G\) は必ず true であるという直観に反する点がしばしば混乱を引き起こすことがある (vacuous truth; 空虚な真)。
どのような解釈でも常に true となるような命題をトートロジー (tautology) と呼ぶ。例えば「すべての生物は人間かそれ以外である」は生物がなんであるかに関係なく常に true となるトートロジーである。
否定 \(\lnot\) は命題論理式において他の演算子より優先順位が高く (緊密に結合しており)、論理積 \(\land\) と論理和 \(\lor\) は含意 \(\Rightarrow\) および同値 \(\equiv\) よりも優先順位が高い。また四則演算子や関係演算子といった他の数学記号は論理演算子よりも優先度が高い。
述語論理
述語論理 (predicate logic) は論理命題を量化記号で拡張したものである。
\(\forall x: F(x)\) | 全称記号 (universal proposition) | すべての \(x\) に対して \(F(x)\) が成り立つ。 |
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\(\exists x: F(x)\) | 存在記号 (existential proposition) | \(F(x)\) の成り立つ \(x\) が存在する。 |
存在命題のような論理記号を用いた命題を論理式という。