Solaris 10 for x86 インストール

Takami Torao Solaris 10
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概要

Solaris 10 8/07 for x86 のダウンロードから起動までの手順を解説する。なお作業は VMWare のゲスト OS として行っているため通常のインストールと異なる部分が若干あるかもしれない。

インストール DVD の作成

準備

Solaris 10 for x86 のインストールに必要なマシンスペックは以下の通り。

CPU 500MHz 以上
メモリ 640MB 以上 (これ以下でも対話型テキストインストールは可能)
ハードディスク 10GB 以上
CD/DVDドライブ ブート可能なもの (VMWare のゲスト OS としてインストールする場合は不要)

またインストール作業のリソースとして以下が必要となる。

  • 10GB ほどの作業用ディスクスペース
  • ISO イメージの焼ける DVD-R や DVD-RW など (VMWare のゲスト OS としてインストールする場合は不要)
  • Linux をインストールできる程度の Unix の知識と簡単な英語の読解力

ダウンロード

Solaris 10

先にダウンロードサイトでユーザ登録を行い DVD の ISO イメージ (ZIP 形式) をダウンロードする。DVD の内容はセグメント 1 と 2 に分割されている。また CVS や Berkeley DB などの含まれる追加パッケージ DVD (Companion DVD) も必要となる。

  1. Solaris 10 8/07 x86 DVD segment 1, Multi-language
  2. Solaris 10 8/07 x86 DVD segment 2, Multi-language
  3. Solaris 10 8/07 Companion DVD, Multi-language
  4. Solaris 10 8/07 Documentation DVD, English

ダウンロードは無応答状態に陥りやすいため wget などのダウンロードツールを用いてレジューム & 自動リトライを繰り返す事を推奨する。

# wget -t 0 -c -T 30 "https://sdlc4a.sun.com/..." -O savename

ダウンロードが完了したら md5sum で内容が破損していないことを確認すること (実際ダウンロードした 1 ファイルが壊れていた)。

# md5sum sol-10-u4-ga-x86-dvd-iso-a
  7e646c540ef7f70aaa1899e60df0875b sol-10-u4-ga-x86-dvd-iso-a

解凍

ダウンロードした ZIP ファイルの MD5 の確認が完了したら unzip で解凍する。

root@oregano$ ls
  total 4504600
  drwxr-xr-x 2 nobody nogroup 4096 Mar 1 16:51 ./
  drwxr-xr-x 3 nobody nogroup 4096 Mar 1 16:50 ../
  -rw-r--r-- 1 nobody nogroup 127 Mar 1 12:39 md5sum.list
  -rw-r--r-- 1 nobody nogroup 123 Mar 1 12:46 md5sum_doc.list
  -rw-r--r-- 1 nobody nogroup 1318 Mar 1 12:28 md5sum_x86.list
  -rw-rw-r-- 1 nobody nogroup 1472593920 Jul 12 2007 sol-10-u4-companion-ga.iso
  -rw-rw-r-- 1 nobody nogroup 417136640 Aug 23 2007 sol-10-u4-doc-ga-dvd.iso
  -rw-r--r-- 1 nobody nogroup 1384120320 Aug 18 2007 sol-10-u4-ga-x86-dvd-iso-a
  -rw-r--r-- 1 nobody nogroup 1334312960 Aug 18 2007 sol-10-u4-ga-x86-dvd-iso-b

連結

分割された DVD セグメントを連結して ISO イメージを作成します。念のため連結後のファイルにも md5sum を実行し、md5sum_x86.list のハッシュ値と等しいことを確認する。

root@oregano$ cat sol-10-u4-ga-x86-dvd-iso-[ab] > sol-10-u4-ga-x86-dvd.iso

VMWare 上にインストールする場合は ISO イメージファイルをそのまま DVD デバイスとして認識させることができるため焼きこみ作業は不要となる (ゲスト OS の CD-ROM 設定に ISO イメージを指定する)。通常のインストールでは DVD-R などに焼き込みを行う。

インストールの実行

日本語 GUI でインストールを行うには 640MB のメモリが必要となる。それより少ない場合はかなりの確率で途中でフリーズする。どうしても最後まで行かない場合は英語やテキストモードで試行すると良い。またネットワーク関係の問題で先に進めない場合は DHCP や DNS 設定を全て無効にし、インストールが完了してから手作業で修正する。

VMWare

VMWare にはあらかじめ Solaris 用の仮想マシンを作成する。既存のゲスト OS に上書きする場合は起動時の BIOS 画面で ESC を押して CD-ROM からのブートを選択する。

導入が終わったら VMWare Tools を導入する必要がある。それまでは 8/07 の標準のネットワークドライバでは数分おきに NIC が無応答になり他から接続できなくなる不具合がある。

マシンの基本情報設定

インストール DVD からマシンをブートすると GRUB が起動する。一番上の [Solaris] を選択。

GRUB起動メニュー

動作モードを選択。対話型インストールを行うため一番上の [Solaris Interactive (default)] を選択。

動作モード

キーボードレイアウトの選択画面に移動。日本語 109 キーボードの場合は [Japanese] を選択して ENTER を押し [X] 状態にして F2 を押す。

Configure Keyboard Layout

以降 GUI でのインストールだが、トラブル回避のため「次の画面で 30 秒以上何の操作もなければテキストモードでインストールを続行する」と示されいる。ENTER を押して続行。

GUI テスト確認

X Window System が起動する。左上のコンソールが確認入力待ちになっているので 30 秒以内にマウスカーソルをあわせて ENTER を押す。

GUI 動作確認

インストールの言語を選択。日本語を使用する場合は 4 を入力。

言語選択

GUI インストールが開始。

ようこそ

ネットワーク設定

ネットワーク関連の設定をこ行うかどうかを選択。

ネットワーク接続性

pcn0 (ネットワークインターフェース) で DHCP を有効にするかどうかを選択。ここでは DHCP を使用しない設定で説明を続行する。

pcn0 用の DHCP

pcn0 で IPv6 を有効にするかどうかを選択。

pcn0 用の IPv6

Kerberos 認証を有効にするかどうかを選択。

Kerberos

使用するネームサービスを選択。ここでは DNS によるネームサービスを選択したものとして説明を続けます。

ネームサービス

このマシンのドメイン名を選択。

ドメイン名

DNS サーバの IP アドレスを入力。

DNS サーバのアドレス

DNS 検索一覧を入力。

DNS 検索の一覧

NFSv4 のドメイン名を指定。

NFSv4 ドメイン名

システム設定

時間帯 (タイムゾーン) の指定方法を選択。

時間帯

タイムゾーンの地域を選択。日本の場合は [アジア]-[日本] を選択する。

大陸と国

現在の日付と時刻を設定。

日付と時刻

root ユーザのパスワードを設定。

root のパスワード

初期状態で telnet や FTP などいくつかのネットワークサービスを有効にするかどうかを選択。セキュリティ的な理由で必要なサービスを全て手作業で有効化する場合は "いいえ" を選択する。

リモートサービスの有効化

ここまでのインストール設定を確認。警告やエラーが出た場合は戻って設定を見直す必要がある。

情報の確認

インストールの設定

インストールを開始する。

ようこそ

インストール完了後の自動リブートと DVD 取り出しを指定。

インストーラ・オプション

インストールに使用するメディアを指定。

媒体の設定

ライセンス契約書を読んで同意。

ライセンス

インストール形式を選択。ここでは [カスタムインストール] を選択したものとして進める。

インストール形式の選択

システムにインストールするロケールを選択。日本語環境の対応文字コードは以下の通りだが全部選択しておくことも可能。

ja EUC-JP (過去の Solaris と互換)
ja_JP.PCK Shift_JIS
ja_JP.UTF-8 UTF-8
ソフトウェアのロケール選択

インストールするロケールの中でシステムのデフォルトロケールを選択。

システムのロケール選択

追加インストールする製品を選択。デフォルトでは Sun Validation Test Suite というハードウェア互換性テストツールが含まれている。

製品の選択

追加の製品をインストールする方法を選択。

追加製品の指定

インストールするソフトウェアを選択。[全ディストリビューション] がフルインストールを表しているためサーバ/ワークステーション用途ならこれで良い。カスタムする場合もこれから不要なものを削除するのが手軽。

Solaris ソフトウェグループの選択

インストール先のディスクを選択。

ディスクの選択

パーティションをカスタマイズする物理ディスクを選択。

fdisk パーティションをカスタマイズするディスクの選択 fdisk パーティションをカスタマイズするディスクの選択

デフォルトで提案してくるパーティション設計はホームに全力で割り当てて / に最小限の容量しか割り当てられない (そもそも変更する前提なのか)。適切なパーティション設計を行い容量の割り当てを行う。

ファイルシステムの配置

インストールを開始。

インストールの準備完了

終了するとインストールされたアプリケーション一覧が表示され一定時間後に再起動する。

Login

参考文献